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2022.06.12

「ホームスクーリング」ってなに?中編

前編では中学受験を前提とした不登校児童のための「ホームスクーリング」を当教室の実例でお話させていただきました。

中編では「ホームスクーリング」の実際を見ていきましょう。

①フリースクールとの違い

②日本においての法的位置づけ

 

①「ホームスクーリング」と「フリースクール」は似ているようで違います。

「フリースクール」は不登校の小中高生が学校以外で仲間と一緒に学ぶことのできる「居場所」です。学習活動、教育相談、体験活動などの活動を行っている民間の施設で通所が前提です。N高は単位が与えられる通信制高校で、高卒資格も取れますので「フリースクール」ではありません。義務教育期間中の小中学生は通っていた小中学校に在籍したまま「フリースクール」に通います。在籍校の校長が認めた場合は出席扱いとなりますが、この点は「ホームスクーリング」も同じです。

 

「ホームスクーリング」は不登校かどうかではなく、子どもの興味や自主性に基づいて自分の学びたいこと、親が学ばせたいことを基本自宅で学ぶ教育スタイルです。一部ですが「フリースクール」の中にもこの考え方で運営されているところがあります。「ホームスクーリング」ではその性質上お友達とのアクティビティやグループでの作業などはありません。

公教育の崩壊が顕著であったアメリカでは早くから法的に認められており、2011年の時点で177万人がホームスクーリングを行っています。

 

「学校」に行けないから「フリースクール」を選択するのと比べて「ホームスクーリング」は「学校」の枠にとらわれない教育方法です。

②法的位置づけ

日本国憲法26条第2項によって、保護者は子に教育を受けさせる義務を負うと定められています。就学義務は親に課された義務であり履行しなければ罰金です。

 

不登校のために学校で勉強する機会を失ってしまった児童・生徒に対して学校への登校を強制せず、それぞれに合った学習環境を保証する『教育機会確保法』が2017年に施行されました。「学校」に行かねばならない、通わせなければならないという時代が終わったのです。

 

学校以外の教育の受け皿の一つが「フリースクール」であり「ホームスクーリング」です。

 

文部科学省は平成28年9月14日の通知で

一定の条件を満たす場合に学校外の施設において相談や指導を受けた日数を出席扱いにしてよいと明言しています。

 

・我が国の義務教育制度を前提とすること

・適切な指導が行われていること

・保護者と学校の連携が取れていること

などの条件を満たせば、在籍する学校長の判断で「出席扱い」にできるとしています。

 

つまり、上記条件を満たし、きちんと学校側との話ができていれば、義務教育期間中の「ホームスクーリング」は出席扱いとなり、法的にも問題はないということになります。

 

前例のない自治体にお住まいの方はご自分がファーストペンギンになりますのでいろいろと試行錯誤があるかと思います。学校との良い関係を作っておかれるに越したことはありません。

ホームスクーリングを始めるなら

後編では「ホームスクーリング」での具体的な学習手段や大学進学就職などについてのお話をしましょう。

 

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